2024/06/01 22:15

こんにちは!

愛知県豊橋産次郎柿のしげはら農園、繁原大樹です。

今まで農薬についてあまり発信したことがありませんでした。
色んな考えの人がいる中で浅い知識で発信することが難しく、農薬の安全性について聞かれても「もちろん、決められたルールの中で使用しているので安全ですよ。」ぐらいの回答しかできませんでした。

そんな中で今回、名城大学の農学部の公開講座に参加させていただきました。

講義2では農薬メーカーである三井化学クロップ&ソリューション株式会社の福元先生の話が自分の中で腹落ちしました。
農薬メーカーの方なのでポジショントークと言われればそれまですが、農薬の安全性について理論的にお話してくださいました。

講義の内容の前にまず大前提として僕自身の考えは、
色んな農業の仕方があっていいし、有機農産物を好んで食べている方ももちろん自由です。
そのうえで僕は柿を作り、生活していくために決められたルールの中で農薬を使用しています。

福元先生の話でいくつかとりあげると
今使われている農薬の危険性(ラット試験での致死接種量など)は食塩やカフェインと同等というデータがありました。
農薬はそれを何千倍にも希釈し、広大な土地に散布します。
そのうち農産物に付着し、消費者まで届く間に残留している量はほんのわずかです。

柿で言えば、希釈した農薬が実につき、何か月、何週間も雨風で洗い落とされ、食卓で洗われて皮を剥かれて食べるわけです。

農薬に関わらず、食塩や砂糖もある量を超えたら有害な物になります。
その中で料理の食味をよくするために適量の食塩や砂糖を使用するのと同じように
人々が暮らしていくのに必要な食料を安定的に生産するために安全と判断された範囲で農家は農薬を使用しています。

また農薬の開発試験には10年以上の年月がかかるそうです。
その間消費者、生産者、環境にとって安全であるかの試験が繰り返し行われ、膨大な量のデータを提出し許可された農薬だけが販売され農家が使うわけです。
販売までいける農薬は10万個に1つぐらいの割合だそうです。

農産物の中でも果物は農薬を使用しなかった場合の減収率が高いです。
統計的にも90~100%の減収というデータがあり、僕の体感でも農薬を使用しなければ売れる柿は出来ないし、柿農家として生活することは出来ていません。

SDGsのサスティナブルの持続的という意味には環境にとってもありますが農家の経済的にもという意味も含まれるべきだと思います。
どんなに環境に良くても農家の生活が成り立たなければ農産物の生産は出来ず人々の生活も持続的ではありません。

学校にオーガニック給食を!という動きがあったりしますが、本当にオーガニック(有機)だけが安全という考えが広まることが持続的なのか考える必要があります。

農家としては農薬についての教育をしていくことも必要だと感じました。

文章がばらばらとしてしまいましたがこの文章は、あくまで講義を聞いた僕なりの解釈と感想と意見なので福元先生の意見と異なる部分もあるかと思いますのでご了承ください。

読んでくださったなかで疑問を持たれた方もいるかもしれませんが、これをきっかけに自分なりに調べたり、福元先生や他の方の話を聞きに行ってみてください。

僕も勉強し続けます。
僕は中卒なので大学の勝手が分からず、どこが入っても良いところかウロウロ、キョロキョロしながらなんとかだどり着きました。

校舎や庭がめちゃくちゃ綺麗で、学生達もキラキラしてました。

来世はこんな大学で青春のキャンパスを送りたいなと思いました!